障害年金のご相談では、
「双極性障害は障害年金の対象になりますか。」
「調子がよい時期もあるため、申請は難しいのでしょうか。」
「働いたり休職したりを繰り返していますが、障害年金を申請できますか。」
というご質問をいただくことがあります。
双極性障害は、障害年金の対象となる精神疾患の一つです。
ただし、双極性障害と診断されていることだけで、障害年金の受給が決まるわけではありません。
うつ状態や躁状態の経過、日常生活への影響、仕事の状況、ご家族などから受けている援助などをもとに、障害の状態が確認されます。
今回は、双極性障害で障害年金を検討するときに確認したいことについてご紹介します。
双極性障害は障害年金の対象になる可能性があります
双極性障害によって日常生活や仕事が制限され、障害の状態が認定基準に該当する場合は、障害年金を受けられる可能性があります。
障害年金を受けるためには、主に次の3つの要件を確認します。
・初診日を確認できること
・保険料納付要件を満たしていること
・障害の状態が認定基準に該当していること
同じ双極性障害でも、症状の現れ方や日常生活への影響は一人ひとり異なります。
そのため、診断名だけで障害年金を受けられるかどうかや、障害等級が決まるわけではありません。
精神疾患による障害年金では、病状のほか、次のような日常生活の状況も確認されます。
・食事の準備や片付けができるか
・入浴や着替えができているか
・通院や服薬を一人で続けられるか
・金銭管理や買い物ができるか
・一人で外出できるか
・人との関わりに支障があるか
・ご家族などからどのような援助を受けているか
仕事をしている場合は、勤務時間や仕事内容、欠勤、休職、職場で受けている配慮なども確認されます。
日本年金機構でも、双極性障害は障害年金の対象となる精神障害の例として案内されています。
▶ 障害年金の対象となる病気やけが(日本年金機構)
うつ状態と躁状態の経過を確認します
双極性障害では、うつ状態と躁状態によって、生活への影響が異なることがあります。
うつ状態では、例えば次のような支障が生じることがあります。
・一日の多くを横になって過ごす
・食事や入浴ができない
・外出や通院ができない
・考えがまとまらず、必要な手続きができない
・仕事を続けられず、欠勤や休職をする
一方、躁状態では、例えば次のような状況が生じることがあります。
・睡眠時間が短くなっても活動を続ける
・高額な買い物や過度な支出をする
・計画を次々に立てて行動する
・怒りっぽくなり、家族や職場でトラブルになる
・自分では病状の変化に気づかない
症状が落ち着いている時期があっても、それだけで障害年金の対象外になるわけではありません。
うつ状態や躁状態がどのくらいの頻度で現れ、生活や仕事にどのような影響が生じているのかを治療経過とあわせて確認します。
調子がよいときだけでは実際の状況が伝わらないことがあります
診察日によっては体調が比較的よく、落ち着いて主治医と話せることがあります。
そのため、
「今日は大丈夫です。」
「特に変わりありません。」
と答え、体調が悪い時期の状況を十分に伝えられないことがあります。
また、躁状態のときは、ご本人が調子のよい状態だと感じ、生活上の問題に気づいていない場合もあります。
そのような場合は、ご家族から見た次のような様子も参考になります。
・睡眠時間や生活リズムの変化
・食事や入浴ができない時期
・買い物や金銭の使い方の変化
・服薬を中断したこと
・家族や職場で起きたトラブル
・仕事を始めたり辞めたりした経過
・症状が悪化した時期とその後の状態
ご本人だけで病状の変化を説明することが難しい場合は、ご家族と一緒に経過を振り返ることも大切です。
初診時と現在の診断名が異なる場合があります
双極性障害では、最初はうつ病や適応障害と診断され、その後の治療経過を踏まえて診断名が変わることがあります。
初診時の診断名と現在の診断名が異なるからといって、必ず別の病気として扱われるわけではありません。
障害年金の初診日を確認するときは、次のような内容を整理します。
・最初にどのような症状で受診したか
・初診時の診断名
・その後の受診と治療の経過
・診断名が変わった時期
・症状や治療が継続しているか
診断名が変わっている場合も、病気の経過を確認したうえで、障害年金上の初診日を整理します。
▶ 障害年金の初診日はいつ?初診日が分からない場合の確認方法
働いている場合も働き方を確認します
双極性障害があっても、働いていることだけで障害年金の対象外になるわけではありません。
働いている場合は、次のような内容を確認します。
・一般雇用、障害者雇用、福祉的就労のいずれか
・勤務時間や勤務日数
・仕事内容や責任の程度
・欠勤、遅刻、早退の状況
・休職や退職を繰り返しているか
・職場で受けている配慮や援助
・仕事を終えた後や休日の状態
・ご家族の援助を受けて勤務しているか
躁状態の時期に仕事を引き受けすぎ、その後のうつ状態で勤務を続けられなくなる場合もあります。
現在働いているという事実だけでなく、体調の波によって働き方がどのように変化しているかを確認することが大切です。
▶ 働いていると障害年金はもらえない?就労中に確認されること
主治医へ病状と生活状況を伝えます
障害年金の診断書は、主治医が診察内容や治療経過などに基づいて作成します。
そのため、うつ状態や躁状態のときに起きたこと、日常生活や仕事への影響を普段の診察で伝えておくことが大切です。
例えば、
・症状が悪化した時期
・食事、入浴、外出ができなかったこと
・金銭管理を家族に任せていること
・通院や服薬に援助が必要なこと
・欠勤、休職、退職に至った経緯
・家族や職場で起きた問題
などを具体的に伝えます。
診察室でうまく説明できない場合は、書面にまとめて主治医へ渡す方法もあります。
当事務所では、日常生活や仕事の状況を整理するための「困りごとシート」をご案内しています。
▶ 障害年金の困りごとシートとは?
対象になるか分からない段階でもご相談ください
当事務所では、双極性障害で障害年金を検討している方からご相談いただいた場合、主に次の内容を確認します。
・最初に受診した医療機関と時期
・初診時と現在の診断名
・これまでの治療経過
・うつ状態や躁状態による生活への影響
・休職、復職、退職など仕事の経過
・現在の日常生活で困っていること
・ご家族などから受けている援助
「双極性障害が障害年金の対象になるか知りたい。」
「調子がよい時期もあるため、申請できるか分からない。」
「仕事を続けているが、休職や欠勤を繰り返している。」
「自分では病状の経過をうまく説明できない。」
そのような段階でもご相談いただけます。
初診日や治療経過、現在の生活状況など、分かっていることから一緒に整理します。
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