統合失調症で障害年金を申請できますか?

障害年金のご相談では、
「統合失調症は障害年金の対象になりますか。」
「薬を飲んで症状が落ち着いていると、申請は難しいのでしょうか。」
というご質問をいただくことがあります。

統合失調症は、障害年金の対象となる精神疾患の一つです。

ただし、統合失調症と診断されていることだけで、障害年金を受けられるかどうかや障害等級が決まるわけではありません。

幻覚や妄想などの症状だけではなく、意欲や活動性の低下、日常生活や仕事への影響、ご家族などから受けている援助をもとに、障害の状態が確認されます。

今回は、統合失調症で障害年金を検討するときに確認したいことについてご紹介します。

統合失調症は障害年金の対象になる可能性があります

統合失調症によって日常生活や仕事が制限され、障害の状態が認定基準に該当する場合は、障害年金を受けられる可能性があります。

障害年金を受けるためには、主に次の3つの要件を確認します。

・初診日を確認できること
・保険料納付要件を満たしていること
・障害の状態が認定基準に該当していること

同じ統合失調症でも、症状の現れ方や生活への影響は一人ひとり異なります。

そのため、診断名だけではなく、治療を受けている現在の状態で、日常生活や仕事がどの程度制限されているかを確認することが大切です。

幻覚や妄想だけで判断されるわけではありません

統合失調症では、実際には聞こえていない声が聞こえる幻聴や、事実とは異なることを強く確信する妄想などが現れることがあります。

一方で、意欲が低下して何もする気になれない、人との関わりを避ける、感情の動きが乏しくなるなどの状態が続くこともあります。

このような状態は、幻覚や妄想と比べて周囲から分かりにくく、単に怠けているように見られてしまうことがあります。

しかし、食事や入浴などの身の回りのことができない、外出や通院が一人では難しい、人と会話することに強い負担を感じるなど、日常生活に大きな影響が生じる場合があります。

障害年金では、目立つ症状の有無だけではなく、病気によって普段の生活がどのように制限されているかが確認されます。

症状が落ち着いている時期も生活状況を確認します

服薬や治療によって幻覚や妄想が目立たなくなっていても、それだけで障害年金の対象外になるわけではありません。

症状が落ち着いているように見えても、意欲の低下が続き、ご家族の声かけがなければ食事、入浴、着替えなどができないことがあります。

また、ご家族が服薬を確認し、通院に付き添い、金銭や予定を管理することで、生活が保たれている場合もあります。

障害年金では、援助を受けている現在の状態だけを見るのではなく、その援助がなかった場合に一人でどの程度生活できるかという視点も大切です。

入院歴や症状が強く現れた時期だけではなく、その後の治療経過と現在の生活状況をあわせて確認します。

ご本人が困りごとを認識しにくい場合があります

統合失調症では、ご本人が病気であることや、生活上の問題を十分に認識できないことがあります。

ご本人は「特に困っていない」「一人でできている」と話していても、実際には、ご家族が日常生活の多くを支えている場合があります。

また、診察では症状について話さなかったり、生活上の支障を実際よりも軽く伝えたりすることもあります。

そのような場合は、ご本人から聞いた内容だけではなく、ご家族などから見た普段の様子を確認することが大切です。

ご家族がどのような援助をしているのか、援助がなければ何ができなくなるのかを整理することで、実際の生活状況が伝わりやすくなります。

働いていても障害年金の対象外とは限りません

統合失調症があっても、働いていることだけで障害年金の対象外になるわけではありません。

働いている場合は、雇用形態や勤務時間のほか、仕事内容、欠勤や休職の状況、職場で受けている配慮や援助などが確認されます。

業務を限定してもらっている、個別に指示を受けている、勤務時間を短くしているなどの配慮によって、仕事を続けられている場合もあります。

また、職場では何とか働くことができても、帰宅後や休日は横になって過ごし、身の回りのことを行えない場合もあります。

現在働いているという事実だけではなく、どのような状況で働いているのか、仕事を続けることが日常生活にどのような影響を与えているのかを確認することが大切です。

▶ 働いていると障害年金はもらえない?就労中に確認されること

主治医へ日常生活の状況を伝えます

障害年金の診断書は、主治医が診察内容や治療経過などに基づいて作成します。

診察室での受け答えだけでは、普段の生活で受けている援助や、家庭での状態が十分に伝わらないことがあります。

そのため、ご家族による服薬の確認や通院の付き添い、食事や金銭の管理など、日常生活で受けている援助について、普段の診察で伝えておくことが大切です。

ご本人だけで説明することが難しい場合は、ご家族から見た様子を書面にまとめたり、診察に同席して伝えたりする方法もあります。

当事務所では、日常生活や仕事の状況を整理するための「困りごとシート」をご案内しています。

▶ 障害年金の困りごとシートとは?

ご本人からの相談が難しい場合はご家族からご相談ください

統合失調症の症状により、ご本人が自分から相談したり、これまでの経過や生活状況を説明したりすることが難しい場合があります。

そのような場合は、最初にご家族からご相談いただくこともできます。

ご本人の意思や体調にも配慮しながら、治療経過、現在の生活や仕事の状況、ご家族が行っている援助など、分かっていることから一緒に整理します。

▶ 家族が代わりに相談しても大丈夫ですか?

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