障害年金のご相談で、
「適応障害では、障害年金を受給できないのでしょうか?」
「適応障害と診断されているため、請求は難しいと言われました。」
というお話を伺うことがあります。
適応障害などの神経症は、障害認定基準では、
原則として障害年金の認定対象にならないとされています。
そのため、「適応障害では障害年金を請求できない」と思われる方も
少なくありません。
一方で、当初は適応障害と診断されていても、
その後も症状が改善せず、現在の病状を改めて確認した結果、
診断名や病態が変わっている方もいらっしゃいます。
今回は、適応障害と障害年金の関係や、
症状が長期間続いている場合に確認したいことについてご紹介します。
目次
適応障害は原則として障害年金の認定対象になりません
障害年金の障害認定基準では、適応障害などの神経症は、
症状が長期間続き、一見重症であっても、
原則として認定対象にならないとされています。
ただし、臨床症状から判断して、精神病の病態を示している場合は、
統合失調症や気分障害などに準じて取り扱うとされています。
少し難しい表現ですが、適応障害という診断名だけではなく、
現在どのような病状にあるのかを医学的に確認する必要があるということです。
診断名や病態を判断するのは、主治医です。
症状が長期間続いているだけでは対象になるとは限りません
適応障害は、原因となった出来事や環境から離れることで、
症状の改善が期待される病気です。
しかし、実際には、
・原因となった職場を離れても症状が改善しない
・退職後も外出できない状態が続いている
・治療を続けても働けない状態が続いている
・家事や身の回りのことにも支障が出ている
という方もいらっしゃいます。
このような状態が続いている場合は、
現在の病状を改めて確認することが大切です。
ただし、症状が長期間続いていることや、
日常生活への支障が大きいことだけで、
直ちに障害年金の認定対象になるわけではありません。
現在の診断名や病態を確認したうえで、
障害年金の認定対象となる状態かどうかを検討します。
当初の診断名と現在の診断名が異なる場合があります
病気の初期には適応障害と診断され、
その後の経過によって、
うつ病や双極性障害など、別の診断がされることがあります。
最初の診断名と現在の診断名が異なることは、
珍しいことではありません。
障害年金では、初診時の診断名だけで、
請求できるかどうかが決まるわけではありません。
現在の診断名や病態、
これまでの治療経過などを確認しながら、
請求できる可能性があるかを検討します。
一方で、障害年金を請求するために、
診断名の変更をお願いするものではありません。
診断名や現在の病状については、
主治医が診察や治療経過などをもとに医学的に判断します。
現在の症状や生活の状況を主治医へ伝えることが大切です
症状が改善せず長期間続いている場合は、
現在の症状や生活への影響を主治医へ伝えることが大切です。
例えば、
・一日の多くを横になって過ごしている
・食事の準備や片付けができない
・入浴や着替えができない日がある
・一人で外出することが難しい
・家族から声をかけてもらわないと服薬できない
・仕事を続けられず休職や退職をした
・職場を離れた後も症状が改善していない
など、実際の生活で起きていることを伝えます。
診察では、体調について聞かれると、
「変わりありません。」
「大丈夫です。」
と答えてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、その言葉だけでは、
日常生活でどのような支障が生じているのかまで伝わらないことがあります。
診断名の変更をお願いするのではなく、
現在の症状や生活の状況を具体的に伝え、
主治医に病状を確認していただくことが大切です。
診断名だけで障害年金の受給が決まるわけではありません
現在の病状が障害年金の認定対象となる場合でも、
診断名だけで受給が決まるわけではありません。
障害年金では、主に次の要件を確認します。
・初診日を確認できること
・保険料納付要件を満たしていること
・障害の状態が認定基準に該当していること
精神疾患による障害年金では、症状のほか、食事や身の回りのこと、
金銭管理、通院、対人関係など、日常生活への影響も確認されます。
仕事をしている場合は、
勤務時間や仕事内容だけではなく、
職場で受けている配慮、欠勤や休職の状況なども判断材料になります。
障害年金の受給要件については、こちらの記事でもご紹介しています。
▶ 障害年金の受給要件とは?
適応障害と診断されていた方が受給につながった事例もあります
当事務所でも、初診時は適応障害と診断されていたものの、
その後も症状が改善せず、
長期間働くことができない方からご相談をいただいたことがあります。
まずは現在の症状や生活の状況を整理し、
主治医へ現在の病状を確認していただきました。
その結果、現在の病状について別の診断がされ、
障害年金の請求につながった事例があります。
もちろん、すべての方が同じ結果になるわけではありません。
詳しい経過については、こちらの記事でご紹介しています。
▶ 適応障害と診断されていた方が、認定日請求で障害年金を受給できた事例
適応障害という診断名だけで判断せず、ご相談ください
適応障害などの神経症は、障害認定基準では、
原則として障害年金の認定対象にならないとされています。
また、症状が長期間続いていることや、
日常生活への支障が大きいことだけで、
必ず認定対象になるわけではありません。
一方で、当初は適応障害と診断されていても、
その後の経過によって、現在の診断名や病態が変わっている場合があります。
「適応障害だから障害年金は受給できない」とご自身だけで判断せず、
まずは現在の病状や、これまでの治療経過を確認することが大切です。
当事務所では、これまでの受診歴や現在の生活状況を一緒に整理しながら、
障害年金の請求を検討できる状態か確認しています。
適応障害と診断され、障害年金について迷われている場合は、
一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
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