障害基礎年金と障害厚生年金、私はどちらになりますか?

障害年金について調べていると、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」という2つの名称が出てきます。

ご相談でも、

「私はどちらになるのでしょうか。」
「今は国民年金ですが、障害厚生年金を請求できますか。」

というご質問をいただくことがあります。

障害基礎年金になるか、障害厚生年金になるかは、原則として初診日に加入していた年金制度によって決まります。

今回は、障害基礎年金と障害厚生年金の違いや、どちらに該当するかを確認する方法についてご紹介します。

年金の種類は初診日の加入状況で決まります

初診日とは、障害年金を請求する病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。

障害年金では、現在加入している年金制度ではなく、初診日に加入していた年金制度を確認します。

例えば、現在は退職して国民年金に加入している方でも、初診日に会社員として厚生年金に加入していた場合は、障害厚生年金の対象になります。

反対に、現在は会社員として厚生年金に加入していても、初診日が自営業などで国民年金に加入していた期間にある場合は、障害基礎年金の対象になります。

障害基礎年金の対象になる場合

次のような期間に初診日がある場合は、障害基礎年金の対象になります。

・自営業者などとして国民年金に加入していた期間
・厚生年金に加入している配偶者に扶養され、第3号被保険者になっていた期間
・20歳前の年金制度に加入していない期間
・日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で、年金制度に加入していない期間

大学生などの場合も、20歳以降に初診日があれば、原則として国民年金の加入期間として確認します。

障害基礎年金には1級と2級があります。

障害厚生年金の対象になる場合

会社員や公務員として厚生年金に加入していた期間に初診日がある場合は、障害厚生年金の対象になります。

病気のために休職や退職をした後でも、初診日に厚生年金へ加入していれば、障害厚生年金として請求を検討できます。

そのため、

「今は退職して国民年金だから、障害基礎年金になる」
「退職してから何年も経っているので、障害厚生年金は請求できない」

とは限りません。

障害厚生年金には1級から3級があり、障害年金の等級に該当しない場合でも、一定の要件を満たすと障害手当金という一時金を受けられることがあります。

障害厚生年金の1級・2級では障害基礎年金も支給されます

「障害基礎年金と障害厚生年金のどちらか一方を受ける」と思われるかもしれません。

初診日に厚生年金へ加入していた方が1級または2級に該当した場合は、障害基礎年金と障害厚生年金があわせて支給されます。

一方、3級に該当した場合は、障害厚生年金のみが支給されます。

整理すると、次のようになります。
・障害厚生年金1級:障害基礎年金1級+障害厚生年金1級
・障害厚生年金2級:障害基礎年金2級+障害厚生年金2級
・障害厚生年金3級:障害厚生年金3級のみ

そのため、障害基礎年金と障害厚生年金は、必ずしも「どちらか一方」という関係ではありません。

障害基礎年金と障害厚生年金では年金額の計算方法も異なります

障害基礎年金の額は、障害等級に応じて定められています。対象となるお子さんがいる場合は、子の加算が付くことがあります。

障害厚生年金の額は、厚生年金に加入していた期間の給与や賞与などをもとに計算されます。

1級または2級の障害厚生年金を受ける方に、一定の要件を満たす配偶者がいる場合は、配偶者の加給年金額が加算されることがあります。

このほか、障害厚生年金には3級の最低保障額が設けられています。

実際の年金額は、障害等級、厚生年金の加入記録、ご家族の状況などによって異なります。

初診日が分からない場合は受診歴から確認します

障害年金の種類を確認するためには、まず初診日を明らかにする必要があります。

精神疾患の場合は、
・現在の病院より前に別の精神科や心療内科を受診していた
・頭痛や不眠などで内科を受診していた
・以前の病気と現在の病気に関連がある
といった事情により、ご自身が考えていた日より前が初診日になることもあります。

最初に受診した病院や時期が分からない場合は、これまでの受診歴を振り返り、医療機関の記録などを確認します。

初診日の考え方については、こちらの記事でご紹介しています。
▶ 初診日はいつになりますか?

初診日の年金加入状況は年金事務所で確認できます

初診日に国民年金と厚生年金のどちらへ加入していたかは、年金事務所で確認できます。

転職や退職を繰り返している場合や、初診日が古い場合は、ご自身の記憶と年金記録が異なることもあります。

当事務所では、必要に応じて委任状をいただき、初診日の年金加入状況や保険料納付要件を年金事務所で確認しています。

初診日が何年何月頃だったか分かれば、正確な受診日や加入状況が分からない段階でもご相談いただけます。

障害基礎年金と障害厚生年金のどちらに該当するか分からない場合は、お気軽にご相談ください。

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