通院をやめてしまった期間があるのですが、障害年金は申請できますか?

障害年金のご相談では、
「途中で通院をやめてしまった期間があるのですが、障害年金は申請できますか?」
というご質問をいただくことがあります。

精神疾患では、体調が悪くなるとかえって病院へ行けなくなったり、症状が落ち着いたと思って通院をやめたりすることがあります。

仕事や家庭の事情、転居、医療機関との相性などから、通院を続けられなくなることもあります。

そのため、
「通院が途切れているので、障害年金は申請できないのではないか」
と不安に感じる方も少なくありません。

しかし、通院をやめていた期間があるという理由だけで、障害年金を請求できなくなるわけではありません。

大切なのは、いつ、どのような理由で通院を中断し、その間をどのような状態で過ごしていたかを確認することです。

今回は、通院していなかった期間がある場合に、障害年金の請求前に確認したいことをご紹介します。

通院をやめていた期間があっても障害年金を請求できる可能性があります

障害年金には、「初診日から現在まで一度も通院を中断していないこと」という受給要件はありません。

そのため、途中で通院していない期間があっても、障害年金を請求できる可能性があります。

通院を中断した理由には、たとえば次のようなものがあります。

・体調が悪く、外出や予約の管理ができなかった
・病院へ行くこと自体が大きな負担だった
・症状が良くなったと思い、自己判断で通院をやめた
・薬を飲むことに抵抗があり、治療から離れてしまった
・仕事や家庭の事情で通院を続けられなかった
・転居や転院をきっかけに通院が途切れた
・医師との関係がうまくいかず、受診しなくなった

通院していなかったという事実だけでは、当時の状態までは分かりません。

通院できるほど体調が回復していたのか、それとも、体調が悪いために通院することさえできなかったのかによっても、状況は異なります。

通院をやめた時期によって確認することが異なります

通院していなかった期間がある場合は、主に次の点を確認します。

・初診日を確認できるか
・どの時期に通院を中断していたか
・通院を中断した理由は何か
・通院していなかった間の症状や生活状況
・障害認定日頃に受診していたか
・現在の主治医に診断書を作成してもらえるか
・現在も継続して治療を受けているか

特に重要なのが、通院を中断していた時期です。

障害認定日より前に一時的な中断があった場合、障害認定日頃には通院を再開しており、当時の診療録が残っていれば、その時点の状態について診断書を作成してもらえる可能性があります。

一方、障害認定日頃に医療機関を受診していなかった場合は、当時の状態を診断書に記載してもらうことが難しくなることがあります。

そのため、「通院を中断したこと」だけでなく、「どの時期に中断していたのか」を確認する必要があります。

障害認定日頃に通院していなかった場合

初診日から1年6か月を経過した日など、障害年金で定められた日を「障害認定日」といいます。

障害認定日頃の状態に基づいて請求する場合は、原則として、その当時の状態を記載した診断書が必要です。

ところが、障害認定日頃に通院していなかった場合、医師が当時の状態を診療録に基づいて確認できず、診断書を作成してもらえないことがあります。

この場合、障害認定日による請求が難しくなる可能性があります。

ただし、障害認定日による請求が難しい場合でも、現在の障害の状態をもとに「事後重症請求」を検討できることがあります。

事後重症請求では、請求した日の翌月分から障害年金が支給されます。そのため、請求できる状態にある場合は、手続きを始める時期も重要になります。

どのような請求方法を検討できるかは、初診日、受診歴、障害認定日頃の状況、現在の障害の状態などによって異なります。

現在も通院していない場合

障害年金の請求には、現在の障害の状態を確認するための診断書が必要です。

現在も通院しておらず、症状や日常生活の状況を医師が把握していない場合は、すぐに診断書を作成してもらうことが難しいことがあります。

通院を再開したばかりの場合も、医師が現在の状態やこれまでの経過を把握するまで、一定の期間が必要になることがあります。

まずは現在の治療状況を確認し、主治医に障害年金の診断書を作成してもらえるか相談することが必要です。

長期間症状が安定していた場合は初診日の確認が必要です

通院をやめていた期間が長く、その間は症状が安定し、治療を受ける必要もなく、日常生活や仕事を特に支障なく送っていた場合は、初診日の考え方を改めて確認することがあります。

いわゆる「社会的治癒」が認められる場合には、その後に再び症状が現れて医療機関を受診した日が、新たな初診日として取り扱われることがあります。

ただし、単に通院していなかったというだけで、社会的治癒が認められるわけではありません。

通院していなかった期間の長さだけでなく、その間の症状、服薬の有無、日常生活や仕事の状況などを総合的に確認する必要があります。

通院していなかった期間も申立書に記載します

障害年金の請求では、「病歴・就労状況等申立書」に、発病から現在までの治療経過や生活・就労状況を記載します。

通院していなかった期間がある場合も、その期間を省略せず、次のようなことを整理します。

・いつ頃からいつ頃まで通院していなかったか
・通院を中断した理由
・その間にどのような症状があったか
・食事、入浴、掃除、買い物などをどの程度できていたか
・家族などからどのような援助を受けていたか
・仕事をしていたか、休職や退職をしていたか
・通院を再開したきっかけ

「通院していなかったので、何も書けない」ということではありません。

通院していなかった期間についても、当時の体調や生活の様子を具体的に振り返ることが大切です。

受診歴を一緒に整理しています

当事務所では、通院が途切れていた期間も含め、これまでの受診歴を一緒に整理しています。

いつ、どの医療機関を受診し、いつ頃通院を中断したのか、その間をどのような状態で過ごしていたのかを確認しながら、請求に必要なことを整理します。

受診した時期を思い出せない場合でも、次のようなものが手がかりになることがあります。

・診察券
・お薬手帳
・医療費のお知らせ
・健康保険の給付記録
・領収書
・紹介状
・ご家族とのメールやメッセージ
・休職や退職に関する会社の書類

すべてを正確に思い出してから相談する必要はありません。分かる範囲から、一つずつ確認していきます。

通院をやめていた期間だけで諦める必要はありません

通院をやめていた期間があるからといって、それだけで障害年金を請求できないとは限りません。

ただし、通院を中断した時期や理由によっては、初診日の証明、障害認定日頃の診断書、現在の診断書などについて確認が必要です。

また、過去にさかのぼる請求は難しくても、現在の状態をもとに請求できる場合があります。

「通院していなかった期間があるから無理だろう」と一人で判断せず、まずは現在の状況やこれまでの経過をお聞かせください。

受診歴を一緒に整理しながら、どのような請求を検討できるか確認していきます。

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