労災のご相談では、
「精神疾患の労災申請は、結果が出るまでどのくらいかかりますか。」
「申請してから何か月も連絡がありません。」
「もうすぐ傷病手当金の支給期間が終わってしまいます。」
というご質問をいただくことがあります。
精神疾患の労災申請では、本人への聞き取りだけでなく、会社や関係者への調査、勤務記録や医療に関する資料の確認などが行われます。
そのため、申請から結果が出るまでに時間がかかることがあります。
今回は、精神疾患の労災申請にかかる期間や、調査中に確認しておきたいことについてご紹介します。
標準処理期間は8か月です
精神障害に関する労災保険給付の請求については、標準処理期間が8か月とされています。
ただし、標準処理期間は、必ず8か月以内に結果が出ることを保証するものではありません。
調査の内容によっては8か月を超えることもあり、反対に、調査が早く進めば8か月より前に結果が出る場合もあります。
申請から結果が出るまでの期間は、確認する出来事や資料、関係者の人数などによって異なります。
申請後に調査が行われます
労災保険の請求書を提出した後は、労働基準監督署による調査が行われます。
精神疾患の労災申請では、労働基準監督署から質問項目が記載された申立書などが送られ、回答と提出を求められます。
また、医療機関や関係機関に対する調査を行うため、同意書への署名と提出を求められることがあります。
申立書への回答や本人への聞き取りのほか、会社への照会、関係者への聞き取り、医療機関への照会などが行われます。
仕事上の出来事を知っている上司や同僚などについて、氏名や連絡先、労働基準監督署の聞き取りに応じてもらえるかを確認されることもあります。
これらの調査結果をもとに、精神疾患を発病しているか、発病前に仕事による強い心理的負荷があったかなどが判断されます。
調査に時間がかかる場合
例えば、次のような場合は、調査に時間がかかることがあります。
・確認する仕事上の出来事が複数ある
・長期間の勤務記録を確認する必要がある
・本人と会社の説明が異なっている
・関係者への聞き取りが必要になる
・複数の医療機関へ通院している
・追加の資料や回答が必要になる
会社や医療機関、関係者からの回答を待つため、調査が進むまでに時間がかかる場合もあります。
追加の確認を求められることがあります
調査の途中で、労働基準監督署から追加の資料や回答を求められることがあります。
仕事上の出来事について詳しい説明を求められたり、受診状況や勤務時間について追加の確認を受けたりする場合もあります。
回答するときは、思い出せないことを無理に断定せず、分かる範囲で伝えます。
新たに見つかった資料や、申請後に気づいた事実がある場合は、担当者へ伝えることもできます。
調査中の休業補償
労災保険の休業(補償)等給付は、労働基準監督署の調査によって労災と認められた後に支給されます。
そのため、労災保険の請求から結果が出るまで、休業(補償)等給付が支給されない期間が生じます。
労災保険給付を請求中であっても、健康保険へ傷病手当金を申請できる場合があります。
ただし、同じ期間について傷病手当金を受給した後に労災と認められた場合は、受給した傷病手当金の返還などの調整が必要になります。
加入している健康保険によって手続きが異なる場合があるため、労災申請中であることを伝えたうえで確認します。
傷病手当金の支給期間が終わる場合
傷病手当金の支給期間が終わる時期になっても、労災の調査が続いていることがあります。
傷病手当金の支給期間が終わったことを理由として、労災保険の調査が早く終了するわけではありません。
休業が長期間に及んでいる場合は、傷病手当金の支給が終わった後の生活費や、利用できる可能性のある制度についても確認しておくことが大切です。
精神疾患の状態が長く続き、日常生活や仕事に大きな支障がある場合は、障害年金を検討できることもあります。
ただし、傷病手当金、労災保険給付、障害年金には、それぞれ受給要件や支給調整があります。
現在受給している給付や加入している制度を確認したうえで、今後の生活について考えていきます。
調査中に退職した場合
労災申請後に退職した場合も、労働基準監督署による調査は継続します。
退職したことだけを理由に、申請が取り下げられたり、労災の対象外になったりするわけではありません。
退職や転居によって住所や連絡先が変わった場合は、労働基準監督署の担当者へ伝えておきます。
連絡先が変わったことを伝えていないと、申立書や追加の確認に関する書類を受け取れない可能性があります。
調査の状況を確認する方法
申請後、長期間連絡がない場合は、請求書を提出した労働基準監督署へ連絡し、調査の進捗状況を確認できます。
確認するときは、氏名、請求した給付の種類、請求書を提出した時期などを伝えます。
ただし、支給または不支給の見通しや、会社・関係者に対する調査内容については回答されません。
現在も調査中であるか、追加で回答または提出するものがあるかなどを確認します。
結果を待っている段階でもご相談ください
精神疾患の労災申請では、申請から結果が出るまでに時間がかかることがあります。
調査中に追加の書類が届いたり、労働基準監督署から聞き取りを求められたりする場合もあります。
また、傷病手当金の支給期間が終わるなど、調査中の生活について不安が生じることもあります。
当事務所では、現在の調査状況や受給している給付を確認しながら、労働基準監督署への回答や今後の手続きについて一緒に整理しています。
「申請後、労働基準監督署から連絡がない。」
「追加の質問にどのように回答すればよいか分からない。」
「もうすぐ傷病手当金の支給期間が終わってしまう。」
「会社の説明と自分の認識が異なっている。」
そのような場合も、現在の調査状況や届いている書類をお聞かせください。
労働基準監督署へ回答する内容や、今後確認したい制度などを一緒に整理していきます。
※調査にかかる期間は、申請内容や調査の状況によって異なります。
※個別の労災認定は、労働基準監督署が事実関係を調査したうえで判断します。ご相談いただいた時点で認定結果を保証するものではありません。
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参考資料
・厚生労働省「労働基準法施行規則の一部を改正する省令の施行に伴う事務連絡の改正について」
