診断書を書いてもらいましたが、この内容で大丈夫ですか?

障害年金のご相談では、
「診断書を書いてもらいましたが、このまま提出して大丈夫でしょうか。」
「日常生活で困っていることが、診断書に反映されているか心配です。」
というご質問をいただくことがあります。

診断書が完成すると、「これで手続きを進められる」と安心する一方で、内容に間違いや記載漏れがないか不安になる方もいらっしゃいます。

障害年金の診断書は、障害の状態を確認するための大切な書類です。

受け取ったらすぐに提出するのではなく、診断書の種類や現症年月日、初診日、日常生活や仕事の状況などを確認します。

今回は、障害年金の診断書を受け取った後、提出する前に確認したいことについてご紹介します。

診断書を受け取ったら内容を確認します

障害年金の診断書を受け取ったら、提出前に内容を確認します。

封筒に入っている場合もありますが、障害年金の診断書は、ご本人が内容を確認したうえで年金事務所などへ提出する書類です。

ただし、医療機関から開封しないよう案内されている場合や、封筒に開封についての注意書きがある場合は、開封する前に医療機関へ確認しましょう。

診断書の内容を確認せずに提出すると、氏名や初診日などの間違いや、必要な欄の記載漏れに気づかないまま審査が進む可能性があります。

診断書の内容に気になる点があっても、ご自身で書き加えたり、訂正したりしてはいけません。

間違いや確認したいことがある場合は、作成した医師や医療機関へ相談します。

必要な種類の診断書か確認します

障害年金の診断書には、障害の種類に応じて複数の様式があります。

精神疾患や知的障害、発達障害について請求する場合は、一般に「精神の障害用」の診断書を使用します。

また、認定日請求と事後重症請求では、診断書に記載してもらう時期が異なります。

そのため、最初に次の内容を確認します。

・請求する病気や障害に対応した診断書か
・障害認定日頃と現在のどちらの診断書か
・必要な時期の状態が記載されているか
・診断書が2通必要な請求ではないか

現在の状態を記載した診断書が完成していても、障害認定日頃の状態で請求する場合は、当時の診断書が別に必要になることがあります。

どの診断書が必要か分からない場合は、初診日、障害認定日、請求方法を確認してから手続きを進めます。

氏名や初診日などの基本的な内容を確認します

診断書を受け取ったら、まず次のような基本的な内容を確認します。

・氏名や生年月日に間違いがないか
・傷病名に間違いがないか
・初診日がほかの提出書類と合っているか
・これまでの受診歴に大きな違いがないか
・診断書の作成日が記載されているか
・現症年月日が必要な期間に入っているか
・必要な欄に記載漏れがないか
・医療機関名や医師名が記載されているか

初診日や現症年月日は、請求方法や審査の対象となる時期に関係します。

ご自身が把握している内容と異なる場合は、そのまま提出せず、なぜ異なっているのかを確認します。

ただし、ご本人の記憶と診療録の内容が異なることもあります。

ご自身の記憶だけで間違いと決めるのではなく、受診状況等証明書や診療録など、ほかの書類と照らし合わせて確認することが大切です。

日常生活の状況が実態と合っているか確認します

精神疾患による障害年金では、病名や症状だけでなく、日常生活にどのような支障が生じているかも確認されます。

診断書では、主に次のような生活状況が記載されます。

・食事の準備や片付けができるか
・入浴や着替えなどを行えているか
・金銭管理や買い物ができるか
・通院や服薬を自分で続けられるか
・他人との意思疎通や対人関係に支障があるか
・身の安全を保ち、問題が起きたときに対応できるか
・社会生活に必要な手続きを行えるか

それぞれの項目について、普段の生活状況と大きな違いがないかを確認します。

例えば、診断書に一人でできると受け取れる記載があっても、実際には、

・家族が食事を用意している
・声をかけてもらわなければ入浴できない
・家族が薬を準備し、服薬を確認している
・金銭管理や必要な手続きを家族が行っている
・家族が付き添わなければ通院できない

という場合があります。

実際に誰が何を行っているのか、援助がなければどのような状態になるのかも大切です。

診断書の内容と普段の生活状況に大きな違いがあると感じた場合は、主治医へどのように伝えていたかも振り返ってみましょう。

一人暮らしや家族からの援助について確認します

診断書には、一人暮らしか家族と同居しているか、福祉サービスを利用しているかなども記載されます。

一人暮らしをしていても、すべての日常生活を一人で行えているとは限りません。

例えば、
・家族が定期的に訪問している
・食事や掃除を家族に手伝ってもらっている
・訪問看護やヘルパーを利用している
・公共料金や家賃を家族に管理してもらっている
・体調が悪いときは家族に連絡してもらっている
といった援助を受けていることがあります。

家族と同居している場合も、食事、洗濯、掃除、金銭管理などを誰が行っているのか確認します。

診断書に記載された生活環境や援助の状況が、実際の状態と大きく異なっていないかを確認しましょう。

仕事の状況も確認します

働いている場合は、仕事をしているという事実だけでなく、どのような状況で働いているかも確認します。

例えば、次のような内容です。
・一般雇用、障害者雇用、福祉的就労のいずれか
・勤務時間や勤務日数
・仕事内容
・欠勤、遅刻、早退の状況
・休職した期間
・職場で受けている配慮や援助
・上司や同僚との意思疎通の状況
・仕事を終えた後や休日の生活状況
・家族の支えによって勤務を続けられているか

短時間勤務や業務内容の変更、残業の免除などの配慮を受けている場合は、その内容も確認します。

仕事を続けられていても、帰宅後は何もできない、休日は寝たまま過ごしているということもあります。

診断書に記載された就労状況と、実際の働き方や仕事による生活への影響に大きな違いがないかを確認します。

病歴・就労状況等申立書との違いを確認します

障害年金の請求では、診断書とあわせて「病歴・就労状況等申立書」を提出します。

診断書は医師が作成し、病歴・就労状況等申立書はご本人などが作成するため、すべて同じ表現になるわけではありません。

ただし、次の内容に大きな食い違いがないかを確認する必要があります。

・発病した時期
・初診日
・受診した医療機関と受診期間
・治療を中断していた期間
・病状の経過
・休職や退職の時期
・現在の仕事内容や勤務状況
・日常生活への影響

例えば、診断書と申立書で初診日や受診していた医療機関が異なる場合は、どちらが正しいのかを確認します。

病状の表現が完全に一致している必要はありませんが、事実関係に大きな違いがある場合は、提出前に整理しておくことが大切です。

病歴・就労状況等申立書については、こちらの記事でご紹介しています。
▶ 病歴・就労状況等申立書は何を書けばいいのでしょうか?

気になる点があっても自分で書き直してはいけません

診断書を作成するのは医師です。

内容に間違いや気になる点があっても、ご自身で書き加えたり、消したり、書き直したりしてはいけません。

例えば、
「初診日が受診状況等証明書の日付と異なっています。」
「勤務時間が現在の働き方と違っています。」
「家族から受けている援助について伝えた内容と違うようです。」
など、気になる点を具体的に主治医や医療機関へ確認します。

誤記や記載漏れがある場合も、訂正するかどうか、どのように訂正するかは医師または医療機関が判断します。

また、希望する等級になるように内容を書き直してもらうものではありません。

診断書に記載された医学的な判断を、ご本人や社会保険労務士が変更することもできません。

実際の病状、日常生活、仕事の状況が正しく伝わっているかを確認することが大切です。

診断書の内容だけで受給結果は決まりません

診断書は、障害年金の審査で重要な書類です。

一方で、診断書の一つの項目や数値だけで、受給の可否や障害等級が自動的に決まるわけではありません。

診断書のほか、病歴・就労状況等申立書、初診日を確認する書類、受診歴、就労状況なども含めて審査されます。

そのため、診断書を見ただけで、
「必ず2級になります。」
「この内容では受給できません。」
と申請前に確定することはできません。

診断書の内容を確認するときは、希望する等級になるかを判断するのではなく、必要な事項が記載されているか、事実関係や実際の生活状況と大きな違いがないかを確認します。

診断書を書いてもらった後でもご相談いただけます

当事務所では、診断書を依頼する前のご相談をおすすめしています。

診断書をお願いする前に、初診日、保険料納付要件、請求方法、必要な診断書の時期などを確認する必要があるためです。

また、日常生活や仕事で困っていることを整理しておくことで、普段の状況を主治医へ伝えやすくなります。

すでに診断書を書いてもらった後でもご相談いただけます。

ご相談では、主に次の内容を確認します。
・請求方法に合った診断書か
・現症年月日が必要な期間に入っているか
・初診日や受診歴がほかの書類と合っているか
・必要な欄に記載漏れがないか
・日常生活や仕事の状況と大きな違いがないか
・病歴・就労状況等申立書との間に大きな食い違いがないか
・ほかに必要な診断書や書類がないか

気になる点がある場合は、主治医へ確認したい内容や、診察で伝えたいことを整理します。

診断書の原本を手元に残したまま相談したい場合は、診断書の写しや、文字が読めるように撮影した画像でも確認できます。

提出する前に診断書の内容を確認しましょう

障害年金の診断書を受け取ったら、すぐに提出するのではなく、次の内容を確認します。

・請求方法に合った診断書か
・初診日がほかの書類と合っているか
・現症年月日が必要な期間に入っているか
・必要な欄に記載漏れがないか
・日常生活や仕事の状況が実態と大きく異なっていないか
・病歴・就労状況等申立書との間に大きな食い違いがないか

気になる点があっても、ご自身で診断書を書き直してはいけません。

「この診断書をそのまま提出してよいのか分からない。」
「日常生活や仕事の状況が伝わっているか心配。」
「申立書と内容が合っているか確認したい。」

そのような場合は、診断書やこれまでに準備した書類を確認しながら、提出前に確認することを一緒に整理します。

診断書を書いてもらった後でも、ご相談いただけます。

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