障害年金のご相談では、
「診断書は、現在の主治医にお願いすればよいのでしょうか。」
「最初に受診した病院の先生に書いてもらうのでしょうか。」
というご質問をいただくことがあります。
障害年金の診断書を誰にお願いするかは、どの時点の障害の状態で請求するかによって異なります。
現在の状態で請求する場合は、現在の状態を診ている主治医へ依頼することが一般的です。
一方、障害認定日頃の状態で請求する場合は、その当時に受診していた医療機関へ診断書の作成を相談します。
今回は、障害年金の診断書を誰にお願いするのか、転院している場合や当時の主治医がいない場合はどうするのかについてご紹介します。
目次
診断書の依頼先は請求方法によって異なります
障害年金には、主に次の請求方法があります。
・障害認定日頃の状態で請求する認定日請求
・現在の障害の状態で請求する事後重症請求
どちらの方法で請求するかによって、診断書に記載してもらう時点と、作成を相談する医療機関が異なります。
そのため、現在の主治医へ診断書をお願いすれば、すべての請求に対応できるとは限りません。
診断書を依頼する前に、初診日や受診歴を確認し、どの時点の診断書が必要になるのかを整理することが大切です。
現在の状態で請求する場合は現在の主治医へ相談します
現在の障害の状態で請求する事後重症請求では、請求時点の状態を確認できる診断書が必要です。
そのため、現在の病状や治療経過を診ている主治医へ、診断書の作成を相談します。
診断書には、病名や症状だけでなく、食事、入浴、通院、外出、金銭管理などの日常生活の状況や、仕事への影響なども記載されます。
普段の診察で伝えられていないことがある場合は、診断書を依頼する前に、現在困っていることを整理しておくと伝えやすくなります。
現在の状態で請求する方法については、こちらの記事でご紹介しています。
▶ 今の状態で障害年金は請求できますか?
認定日請求では当時受診していた医療機関へ相談します
認定日請求は、障害認定日頃の障害の状態で請求する方法です。
原則として、障害認定日以後3か月以内の障害の状態が記載された診断書が必要になります。
そのため、現在の主治医ではなく、障害認定日頃に受診していた医療機関へ診断書の作成を相談することがあります。
当時の主治医が現在も在籍しているとは限りません。
主治医が退職や異動をしている場合でも、医療機関に当時の診療録が残っていれば、ほかの医師に診断書を作成してもらえる可能性があります。
まずは当時受診していた医療機関へ、診療録が残っているか、診断書を作成できるかを確認します。
認定日請求については、こちらの記事でご紹介しています。
▶ 障害年金は過去の分も受け取れますか?
初診の病院が診断書を作成するとは限りません
障害年金では、初診日を確認することが必要です。
ただし、初診の医療機関が障害年金の診断書を作成するとは限りません。
初診の医療機関には、初診日を証明するための「受診状況等証明書」を依頼することがあります。
一方、障害年金の診断書は、障害認定日頃や現在の障害の状態を確認できる医療機関へ依頼します。
例えば、
・初診の病院には受診状況等証明書を依頼する
・障害認定日頃に通院していた病院には認定日頃の診断書を依頼する
・現在通院している病院には現在の診断書を依頼する
というように、それぞれ異なる医療機関へ書類をお願いすることがあります。
転院している場合は受診歴を確認します
複数の医療機関を受診している場合は、診断書をお願いする前に受診歴を確認します。
特に認定日請求では、障害認定日頃にどの医療機関を受診していたかが重要です。
病院名や受診した時期が分からない場合も、診察券、お薬手帳、医療費のお知らせ、紹介状の控えなどから確認できることがあります。
現在の主治医であっても、実際に診察していない時期の状態を診断書に記載できるとは限りません。
どの医療機関へ、どの時点の診断書を依頼するのかを確認してから進めます。
診断書を依頼する前に確認しておきたいことがあります
診断書を主治医へお願いする前に、次の内容を確認しておきましょう。
・障害年金の原因となった病気やけがの初診日
・これまでに受診した医療機関
・障害認定日がいつになるか
・認定日請求と事後重症請求のどちらを検討するか
・どの種類の診断書を使用するか
・診断書に記載してもらう時点
・診断書を作成できる医療機関
確認しないまま現在の主治医へ診断書を依頼すると、必要な時点と異なる診断書が作成されることがあります。
診断書の作成には費用と時間がかかるため、依頼する前の確認が大切です。
診断書を依頼する時期については、こちらの記事でご紹介しています。
▶ 診断書をお願いするタイミングはいつですか?
主治医には障害年金を請求したいことを伝えます
診断書をお願いするときは、主治医へ障害年金の請求を考えていることを伝えます。
例えば、
「障害年金の請求を考えています。診断書を作成していただくことはできますか。」
と相談します。
診断書には日常生活や仕事への影響も記載されるため、診察では次のようなことも伝えておく必要があります。
・食事の準備や片付けができるか
・入浴や着替えができているか
・通院や服薬に援助が必要か
・一人で買い物や外出ができるか
・金銭管理や必要な手続きができるか
・ご家族などからどのような援助を受けているか
・仕事を休んだり辞めたりした経緯
・勤務時間や仕事内容、職場で受けている配慮
診察室でうまく説明できない場合は、困っていることを事前に書面へまとめて、主治医へ渡す方法もあります。
診断書の作成を断られた場合は理由を確認します
主治医へ診断書をお願いしても、すぐに作成してもらえるとは限りません。
例えば、
・通院を始めて間もなく、病状や生活状況を十分に把握できていない
・診断書に記載が必要な時期に診察していない
・当時の診療録が残っていない
・診察内容や診療録から、診断書の必要な項目を確認できない
などの理由により、作成が難しい場合があります。
診断書の作成が難しいと言われた場合は、すぐに別の病院へ転院するのではなく、まず作成できない理由を確認します。
現在の主治医への通院を始めて間もない場合は、一定期間診療を続けた後に、改めて作成を相談することもあります。
障害認定日頃の診療録が残っていない場合は、認定日請求が難しくなることがあります。また、診断書に記載が必要な時期に別の医療機関を受診していた場合は、その医療機関へ作成を依頼できるか確認します。
診断書の作成が難しいという理由だけで転院しても、新しい主治医がすぐに診断書を作成できるとは限りません。
作成できない理由を確認したうえで、必要な診断書をどの医療機関へ依頼できるのかを整理することが大切です。
診断書は医師が医学的な判断に基づいて作成します
障害年金の診断書は、医師が診察内容や診療録などに基づいて作成するものです。
なお、障害の原因となった傷病によっては、歯科医師が作成する場合もあります。
社会保険労務士が診断書の内容を決めたり、医師に特定の記載を求めたりすることはできません。
一方で、診断書を依頼する前に、必要な診断書の種類や記載してもらう時点を確認することはできます。
当事務所では、ご依頼いただいた場合、初診日や受診歴、請求方法を確認したうえで、どの医療機関へ何時点の診断書をお願いするのかを整理しています。
また、日常生活で困っていることを主治医へ伝えやすいように、困りごとシートなどを使って状況を確認します。
誰にお願いするか分からない場合もご相談ください
障害年金の診断書は、現在の主治医へ依頼すればよいとは限りません。
現在の状態で請求する場合は現在の主治医へ、障害認定日頃の状態で請求する場合は当時受診していた医療機関へ相談します。
また、初診の病院には、診断書ではなく受診状況等証明書を依頼することがあります。
「現在の主治医にお願いしてよいのか。」
「以前通院していた病院にも診断書をお願いするのか。」
「当時の主治医がいない場合はどうすればよいのか。」
そのような場合も、お気軽にご相談ください。
受診歴や請求方法を確認し、どの医療機関へ、どの時点の診断書をお願いするのかを整理します。
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