障害年金のご相談では、
「障害年金が不支給になりました。主治医に診断書を書き直してもらえばよいですか。」
「実際の生活よりも軽い内容で診断書が作成されていました。」
「家族から受けている援助を主治医に伝えられていませんでした。」
というお話を伺うことがあります。
障害年金が不支給になったからといって、診断書を書き直してもらえば結果が変わるとは限りません。
まずは、不支給決定通知書に記載された理由と、請求時に提出した診断書などを確認します。
そのうえで、診断書に事実関係の誤りがあるのか、生活状況が主治医へ十分に伝わっていなかったのか、請求後に障害の状態が変化したのかを整理することが大切です。
今回は、不支給後に診断書を確認するときのポイントや、主治医への確認方法についてご紹介します。
診断書を書き直してもらえばよいとは限りません
障害年金が不支給となる理由は、一つではありません。
例えば、
・初診日を確認できなかった
・保険料納付要件を満たしていなかった
・障害の状態が認定基準に該当しないと判断された
といった理由があります。
初診日や保険料納付要件が理由となっている場合は、障害状態についての診断書を書き直してもらうだけでは解決しません。
障害の状態が理由となっている場合も、診断書を希望する内容に変更してもらうことが目的ではありません。
不支給決定通知書と提出した書類を確認し、どのような事実をもとに不支給と判断されたのかを整理します。
▶ 障害年金が不支給になったら?審査請求と再請求を検討します
不支給決定通知書と診断書を照らし合わせます
障害の状態が認定基準に該当しないと判断された場合は、不支給決定通知書の理由と、請求時に提出した診断書を照らし合わせます。
精神疾患による障害年金では、病名や症状だけでなく、日常生活能力、治療経過、家族などから受けている援助、就労状況なども確認されます。
診断書では、主に次の内容を確認します。
・傷病名と治療経過
・現在の症状
・日常生活能力の判定
・日常生活能力の程度
・家族などから受けている援助
・就労状況や職場で受けている配慮
診断書と病歴・就労状況等申立書の間で、症状、日常生活、家族から受けている援助、就労状況などに大きな食い違いがないかも確認します。
診断書に事実関係の誤りがないか確認します
診断書に事実関係の誤りがある場合は、主治医へ確認することがあります。
例えば、
・受診を始めた時期が実際と異なる
・休職中であるのに就労中と記載されている
・同居しているのに一人暮らしと記載されている
・家族の援助を受けているのに援助者がいないと記載されている
といった場合です。
ただし、ご本人やご家族が考える状態と診断書の評価が異なることだけで、記載の誤りになるわけではありません。
診断書は、主治医が診察内容や診療録などに基づき、医学的に判断して作成するものです。
どの記載が、どのような事実と異なっているのかを具体的に整理したうえで確認します。診断書を訂正するかどうかは、主治医の判断になります。
日常生活や仕事の状況が伝わっていないことがあります
診察室での受け答えだけでは、普段の生活や家族から受けている援助が主治医へ十分に伝わらないことがあります。
例えば、実際には、
・家族に食事を用意してもらっている
・声をかけられなければ入浴や着替えができない
・服薬や通院の予定を家族に管理してもらっている
・金銭管理や必要な手続きを家族に任せている
・一人で買い物や通院に行けない
という状態であっても、診察では「特に変わりありません」と答えていることがあります。
働いている場合も、勤務時間、欠勤、業務上の制限、職場で受けている配慮などが伝わっていなければ、仕事上の支障を診断書から確認できないことがあります。
職場では何とか働くことができても、帰宅後や休日は横になって過ごし、食事や入浴ができない場合もあります。
できていることだけではなく、どのような援助や配慮によって生活や仕事が成り立っているのかを整理することが大切です。
主治医へ確認する内容を整理します
診断書について主治医への確認が必要な場合でも、「診断書を書き直してください」とだけお願いするのでは、確認したい内容が伝わりません。
主に次のような内容を整理します。
・診断書のどの記載を確認したいのか
・実際にはどのような生活状況だったのか
・家族などからどのような援助を受けていたのか
・仕事上、どのような制限や配慮があったのか
・診断書作成時に主治医へ伝えていた内容
・請求後に症状や生活状況が変化していないか
請求時にすでに生じていた状態と、不支給決定後に新しく生じた変化を分けて整理することも大切です。
主治医へ書面で伝える方法もあります
ご本人だけで日常生活や仕事の状況を説明することが難しい場合は、主治医へ伝える内容を書面に整理する方法があります。
当事務所では、不支給決定通知書と提出した診断書などを確認し、必要に応じて主治医へ確認する内容を整理します。
ご本人だけで説明することが難しい場合は、主治医へのお手紙を作成することもあります。
これは、障害年金を受けるために、診断書を希望する内容へ変更してもらうものではありません。
主治医の医学的な判断を前提として、これまでの治療経過や日常生活、仕事の状況などが十分に伝わっているかを確認するためのものです。
審査請求と再請求では確認する時点が異なります
審査請求は、最初の不支給決定が適切であったかについて見直しを求める手続きです。
そのため、最初の請求時にどのような障害状態だったのか、その状態を確認できる資料があるのかを整理します。
一方、最初の請求後に症状が重くなった場合や、家族の援助が増えた場合、仕事を続けられなくなった場合などは、現在の状態による再請求を検討することがあります。
再請求は、最初の不支給決定を見直してもらう手続きではありません。現在の状態について新たに診断書を作成してもらい、改めて障害年金を請求するものです。
最初の請求時の状態と現在の状態を分けて確認し、審査請求と再請求のどちらを検討するのかを整理します。
診断書について主治医へ相談する前に確認しましょう
障害年金が不支給になった場合は、すぐに診断書の書き直しを依頼するのではなく、まず不支給となった理由と提出した書類を確認することが大切です。
「診断書のどこを確認すればよいか分からない。」
「家族の援助が診断書に反映されていなかった。」
「主治医にどのように確認すればよいか分からない。」
そのような場合は、不支給決定通知書とお手元にある提出書類を確認し、主治医へ確認する内容や今後の対応を一緒に整理します。
審査請求には期限があります。
不支給決定通知書が届いた場合は、診断書の書き直しを依頼する前に、早めにご相談ください。
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